全国高欄協会が設立30周年を迎えました

会長挨拶

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一般社団法人 全国高欄協会
会長 長徳 聡吾

一般社団法人全国高欄協会の設立30周年を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

当協会は、二次製品としての橋梁用防護柵・高欄のメーカーで構成されておりますが、素材はスチール(鋼製)、アルミニウム合金、ダクタイル鋳鉄、ステンレスといった異種金属メーカーの集合体という、独自の形態を持った一般社団法人であります。

昭和61年7月に『防護柵設置要綱・資料集』が社団法人日本道路協会より発刊されるにあたって“同要綱の基準の内容・主旨を各メーカーに徹底させたい”との当時の建設省のご意向により、高欄の製造にたずさわるメーカーの技術力向上の場として、昭和61年2月に社団法人軽金属協会内に高欄協議会運営委員会が設置されたのが当協会のはじまりです。平成24年10月には、『一般社団法人 全国高欄協会』として新たなスタートを切りました。今般、設立30周年を迎えたことは、偏に行政をはじめ関係者の皆様の格別なご指導ご支援の賜と深く感謝申し上げます。そして、これまで協会の発展に多年にわたり尽力されました歴代役員、会員の皆様にもあらためて敬意を表します。

設立20周年よりこの10年間を振り返りますと、社会の要請であった安全・安心ニーズに応えるべく、高欄の安全性向上に取り組んだ期間であったと思われます。平成18年8月の高欄突破による転落事故を受け、「防護柵の設置基準・同解説」が平成20年1月に改訂されました。協会としましても設置基準に準拠する形で、橋梁上における防護柵設置の考え方をわかりやすくまとめ、周知に努めてまいりました。

日本全国の橋梁は高度経済成長期に多く設置され、老朽化が進み対応が急務な状況です。協会では、「橋梁長寿命化修繕計画」に基づいた橋梁補修という新たなニーズを受け、平成24年2月に高欄補修で使用するケミカルアンカーについての技術検討を実施し、技術と品質向上を図りました。平成27年2月には安全で高品質な高欄補修に関するノウハウを集約したパンフレット「高欄改修のすすめ」を作成し、全国官公庁やコンサル・設計事務所への提案・啓蒙活動を行った他、同年10月には静荷重試験機性能の認定制度を開始し試験品質向上に取り組みました。このような活動を通し、協会では社団法人としてより安全・安心な道づくりに少しでも貢献できるよう努めております。

私たち一般社団法人全国高欄協会は、誰もが安心して快適に利用できる橋梁の実現を目指して、これからも時代の変化に柔軟に対応し、より一層、高欄に纏わる品質・技術の向上に努力してまいりたいと存じます。 今後とも、皆様のご指導ご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。

平成28年2月